大規模修繕は、マンションにとって大きなイベントです。
建物の寿命を延ばし、居住者の快適性を維持するために欠かせない作業ですが、同時に、予想外の費用やトラブルのリスクも潜んでいます。
その中でも特に注意が必要なのが、アスベストの存在です。
建物の老朽化に伴い、アスベスト含有建材の処理が課題となるケースが増えています。
適切な対応を怠ると、健康被害や高額な費用負担につながる可能性も。
この記事では、大規模修繕におけるアスベスト対応のステップと費用を抑える方法を解説します。
大規模修繕とアスベスト対応
アスベスト調査の義務化
2022年4月1日以降、一定規模以上の解体や改修工事では、アスベストの有無に関わらず、事前調査が義務化されました。
対象となる工事は、解体面積が80㎡以上、または請負代金が100万円以上の改修工事です。
外壁塗装や防水工事など、既存の建材を撤去する工事も含まれる場合があります。
調査は、「建築物石綿含有建材調査者」などの資格を持つ専門業者に依頼することが重要です。
2023年10月1日からは、資格保有者以外が調査を行うことができなくなります。
アスベスト発見時の対応
アスベスト含有建材が見つかった場合、アスベスト繊維の飛散を防ぐための処理が必要です。
主な処理方法は、「除去」「封じ込め」「囲い込み」の3種類です。
・除去は、アスベストを完全に除去する最も安全な方法ですが、費用と時間がかかります。
・封じ込めは、アスベストをそのままにして、表面に薬剤を塗布して飛散を防ぐ方法です。費用と時間は比較的短縮できます。
・囲い込みは、アスベストを新たな建材で覆う方法です。
これも費用と時間を抑えられます。
どの方法を選択するかは、アスベストの種類、量、場所、建物の構造などを考慮して専門業者と相談する必要があります。
住民への説明会を行い、理解を得ることも重要です。
費用と助成金の活用方法
アスベスト調査・除去費用は、処理面積や方法によって大きく変動します。
国土交通省は、費用の目安を公表していますが、実際の費用は業者に相談して見積もりを取ることが必要です。
自治体によっては、アスベスト調査や除去費用に対する助成金・補助金制度があります。
申請要件や補助額は自治体によって異なるため、事前に確認が必要です。

費用を抑える対策と最新情報
調査費用を抑える方法
調査費用を抑えるには、事前に設計図書を確認し、アスベストが含まれている可能性の高い箇所を絞り込むことが有効です。
また、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することも重要です。
処理費用を抑える方法
処理費用を抑えるには、「封じ込め」や「囲い込み」といった、アスベストを除去しない方法を選択するなどが考えられます。
ただし、これらの方法は、将来的なリスクも考慮する必要があります。
除去が最も安全ですが、費用が高いのがデメリットです。
最新の法律と制度
アスベスト関連の法律や制度は常に更新されています。
最新の情報を国土交通省などのホームページで確認し、適切な対応を心がけましょう。
特に、2023年10月1日以降の規制変更には注意が必要です。

まとめ
大規模修繕におけるアスベスト対応は、調査、処理方法の選定、費用、助成金の活用など、多くの要素を考慮する必要があります。
専門業者への相談、自治体への確認、そして住民との丁寧なコミュニケーションが、安全で費用を抑えた対応に不可欠です。
早めの調査と適切な対策で、安心・安全な大規模修繕を進めましょう。
アスベスト問題は、健康被害と高額な費用負担のリスクを孕んでいることを、改めて認識しておきましょう。
適切な対応をすれば、安心できる大規模修繕を実現できます。
当社は、総合リフォーム業者として、住宅や建物に関する様々なお悩みやトラブルを解決致します。
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